レベル変換バススイッチの必要性

レベル変換バススイッチは、異なる電源を使用している信号線同士を接続する際に、入力側の仕様に沿うようレベル変換したうえで接続するためのICです。
出力側が3.3ボルト電源を、入力側が5ボルト電源を使用している場合、入力側のハイレベルのしきい値電圧、すなわちスレッショルド電圧が問題となります。入力側がTTLレベルであれば、ハイレベルのスレッショルド電圧は概ね2.0から2.4ボルト程度となるため、3.3ボルトが出力されていれば大きな問題はありません。
しかし、入力側がCMOSレベルの場合は、デバイスによってスレッショルド電圧は2.5ボルトから3.5ボルトと幅があり、仕様を満足できない可能性があります。
この問題を解決するために使われるのが、レベル変換用のICです。

専用デバイスを使用することの意義

レベル変換バススイッチの使用は、部品点数を減らし実装面積に余裕を持たせることができます。専用のIC無しにレベル変換を行うには、3.3ボルトから5ボルトへ変換する場合、トランジスタ等でアイソレーションしたうえで、コレクタ部分をプルアップし5ボルトの入力側へと接続することになります。
バス1本につきトランジスタとプルアップ抵抗が必要となりますから、32ビットのデータバスをレベル変換するには、部品点数は32x2=64となり、相当の実装エリアが必要となってしまいます。
5ボルトから3.3ボルトへ変換する場合は、電流値を考慮しなければ分圧抵抗2つで済みアイソレーションは不要となりますが、バス幅が増えるほどに部品点数は嵩張り、実装面積に与える影響は少なくありません。

双方向データとノイズ耐性について

レベル変換バススイッチには、電圧変換だけでなく双方向のデータにも対応しているデバイスが存在します。片方向のデータと違い、双方向の場合はバスの制御も必要となり、バススイッチ無しに実現する場合はより複雑です。
バススイッチを使用すれば、コントロール信号を制御するだけでバスのデイレクションを制御できるため、バスの入出力の切り替えタイミングを制御するための複雑な回路を作る必要がなく便利です。
電圧を下げることは、ノイズの低減にも繋がります。これはノイズレベルが電圧レベルに比例するためで、ノイズの低い回路を設計するには使用する電圧を下げることが近道となります。
レベル変換用ICは、5ボルトと3.3ボルトの変換だけでなく、1.2ボルトなど低電圧に対応したデバイスも販売されているため、多くの回路で使用することができます。